今晩・FRBイエレン議長講演

 


北川博文の相場独り言

夜間取引の日経225先物は、米経済指標の7月の耐久財受注統計が前月比1.6%増と2カ月連続で増加し、また新規失業保険週間申請件数も3週連続の減少となるなど米経済指標は良好な発表が続いており、FRBは年内に利上げに踏み切るとの観測の高まりから、ドル円相場は100円台の半ばまで上昇したが、東京市場の反応は鈍く、極々小幅の動きで推移した。

今晩のFRBイエレン議長の発言は、日本時間の23時頃に予定されているが、相次ぐ米連銀総裁たちのタカ派発言の反動から、それらを鎮静化する発言が予想される。そうなると為替は、ドル安円高に振れ株価は下落することになる。タイムサイクル的にも相場の潮目が変化する時期にあることから、一旦下に振られてからの上昇をイメージしている。

 

日経平均株価・月足チャート

【NY市況】

25NY債券市場は、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を今晩に控え、この日発表された7月の耐久財受注統計で非国防資本財から航空機を除いたコア受注が前月比1.6%増と2カ月連続で増加し、また新規失業保険週間申請件数も3週連続の減少となるなど、経済指標の改善が続いており、FRBは年内に利上げに踏み切るとの観測が高まった。また、カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁は、雇用や物価情勢を踏まえるとFRBは段階的に利上げする時期を迎えているとの認識を示した。こうしたことを受けて指標となる10年債利回りは、1.559%から1.578%へ上昇して推移している。 

 

為替市場のドル円相場は、欧州時間帯に100円台前半まで強含んでいたが、NY時間の朝方発表された7月の米耐久財受注が堅調だったことから100円台半ばに下落した。ただ、イエレンFRB議長の講演を今晩に控え、その後は小動きで推移した。  

 

株式市場は、医療機器のセント・ジュード・メディカルが同社製品にサイバー攻撃に対する脆弱性があると指摘されたことが響き5%下落、また前日に売られたジェネリック薬品のマイランも引き続き売りを浴びて0.7%安となり、ヘルスケア関連および消費関連株の売りが膨らんだ。半面、米連邦準備理事会(FRB)当局者が利上げに前向きな発言をしたことを受けて金融株は小幅高となり、S&P金融株指数は0.28%高となった。ダウ工業株30種平均は、18448.41ドルの▲33.07 ドル安で引けた。

 

金相場は、FRB関係者のタカ派的な発言や堅調な米経済指標の発表で早期利上げが改めて意識され売り圧力となった。ただ、為替市場でドル売り・ユーロ買いが進行したことから、ドル建て金の割安感で下値は限定的だった。 

 

原油相場は、朝方は為替市場で対ユーロでのドル軟調を背景に割安感から買いが先行し、また主要産油国による生産調整に向けた動きが注目材料となり買われた。石油輸出国機構(OPEC)加盟国は、来月26日からアルジェリアで開かれる国際エネルギーフォーラムに合わせて非公式会合を開く予定で、原油市場の安定化などについて意見交換するとみられている。  

 

 


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