英国金融緩和据え置き

 


北川博文の相場独り言

昨日の日経平均株価は、若干のマイナス圏から始まり、為替市場でドルに対し円が軟化するとじりじりと値を上げ16,400円を窺う動きを見せた。その後、引け間際に元内閣官房参与(駐スイス大使)の本田悦郎氏が4月訪米時にバーナンキ前FRB議長と永久国債について議論したと述べたとの報で、追加緩和期待からドル円は一気に105円台まで買い進まれ、終値は16,385円の前日比+154円高で引けた。

永久債とは、償還期限の定めがない債権のことで、利子が永久的に支払われる。報道機関によると、バーナンキ氏は日本経済が再びデフレに戻るリスクを指摘、デフレ脱却には政府が市場性のない永久国債を発行、これを日銀が直接全額を引き受ける手法を選択肢として挙げたと伝えた。

このことで為替相場が一気に10575銭までの円安になった割には、株価の反応に勢いを感じない。市場は実現性を疑問視しているようだが、安倍首相の経済ブレーンである本田氏が述べたことで、昨日のニュース番組で首相とバーナンキ氏が会談している姿を思い出すと、日銀の追加緩和策にも出尽くし感があるため、大型景気対策としての可能性もありそうだ。

月末29日、日銀金融決定会合までには何が飛び出してくるか分からない。

 

NY市況

14NY債券市場は、日本政府が経済対策を強化するとの観測を背景に国債や円などの安全資産が売られて利回りは上昇し、加えて英国中央銀行・イングランド銀行がEU離脱決定に伴う景気減速を回避するため利下げするとの見方が有力だったが、予想に反して政策金利の据え置きを発表したことから米国債利回り上昇に勢いがついた。指標となる10年債利回りは、3日続伸して1.537%まで上げている。

為替市場は、日本政策の大型景気対策をめぐる思惑から円が急落した流れを引き継ぎ、6月の米卸売物価指数(PPI)が市場予想を上回る伸びとなったことで、さらに円売り・ドル買いを促進させ、一時10590銭まで下落した。ただ、106円の壁は厚く、その直前でドルの上げ足が止まると円を買い戻す動きが強まり105円台前半まで値を戻して引けた。

株式市場は、6月の卸売物価指数(PPI)11カ月ぶりの大きな伸びとなったことからブラス圏で始まり、四半期決算が好調だったJPモルガン・チェースが買われ金融株を押し上げた。ダウ工業株30種とS&P500種が最高値を再び更新し、業種別では金融株が0.89%上げ、素材、ハイテク、一般消費財といった景気循環銘柄も買われた。また、この日上場した無料対話アプリのLINE(ライン)は、一時37%まで上昇する場面もあった。ダウ工業株30種平均は、18506.41ドルの+134.29ドル高で引けた。

金相場は、朝方から米株価が上昇すると投資家のリスク選好意欲が高まり、安全資産とされる金の需要が後退し弱含みで推移した。イングランド銀行が政策金利の据え置きを発表すると、予想外の利下げ見送りから発表後は売り圧力がかかって下落したが、その後は安値拾いの買いなどが入り下げ幅を縮小した。

原油相場は、前日の米エネルギー情報局週報で石油製品在庫の大幅増を嫌気して大きく下げた反動から買い戻しが優勢となって始まった。序盤は、イングランド銀行の金利据え置き発表をきっかけに為替市場でドルが急落したことを受けて上げ幅を拡大したが、その後は供給過剰への警戒も根強く、国際エネルギー機関の月報で過剰在庫が価格の安定を妨げているとの指摘もあり乱高下しながら推移した。

 

 


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