FOMC議事録公開で早期利上げ観測

 


北川博文のNY市況

18NY債券市場は、4月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表され、米連邦準備理事会(FRB)当局者は経済指標が第2四半期の成長加速を示し、インフレと雇用で前進が見られれば、6月の利上げが適切になるとの認識を示していることから、短期国債利回りが約2ヶ月ぶりの高水準となり、指標となる10年債利回りは、1.859%まで上昇した。

為替市場は、FOMC議事要旨公表を控えて109円台半ばから同後半の水準で小動きしていたが、午後に入って米連邦準備理事会(FRB)が議事要旨を発表すると、円売り・ドル買いが加速し、円は一時11025銭まで下落した。議事要旨では、FOMC委員の大半が46月期の成長加速や物価上昇などが確認できれば、6月の利上げが「適切」との認識を示していることが判明し、市場ではFRBが予想外にタカ派的な姿勢に転換していると受け止める向きもあり、ドル買いに弾みがついた。

株式市場は、連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表で、6月利上げに道が開かれたと受けとめられ、議事要旨公表前に堅調に推移していたS&P500種とダウ平均は発表後にマイナス圏に沈み、引けにかけてやや下げ幅を縮めた。利上げが追い風となる金融株は全般に買われてSP金融株指数は1.9%高となった。半面、金利上昇観測が高まると売られがちな公益株が下落し、小売り株も引き続き軟調に推移し、ダウ工業株30種平均は、 17526.62ドルの▲ 3.36ドルで引けた。

金相場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を控えて様子見ムードのなか、堅調な米経済指標に加え、複数の連邦準備制度理事会(FRB)高官による早期利上げに前向きな発言を受けて、対ユーロでドル高が先行しドル建て金の割高感から売りが優勢となった。午後に公表されたFOMC議事要旨では、委員の大半が6月の利上げに前向きな姿勢であることが確認されたことから下げ足を速めた。

 原油相場は、米石油協会(API)週報で原油在庫が減少し、一方、米エネルギー情報局(EIA)週報では、市場予想に反し前週比130万バレル増加するといった、まちまちの内容ながらガソリン在庫など石油製品在庫が大幅な減少となったことから、もみ合いながら上昇した。しかし、午後に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、委員の大半が条件が整えば6月の利上げが適切との見解を示していたことが明らかになるとドルが対ユーロなどで一段と上昇したことから、ドル建て原油の割高感から急速に値を消してマイナス圏に沈んだ。 


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