FRB6月利上げ観測台頭
北川博文のNY市況
19日NY債券市場は、FRBが前日公表した4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、大半の参加者が6月の利上げを適切と考えていることが示されたことで債券利回りが上昇していたが、この日のFRBのフィッシャー副議長の曖昧な発言から6月利上げに懐疑的な見方が広がり、指標10年債利回りは低下した。
為替市場は、FOMC議事要旨を受けた円売り・ドル買いが継続するなか、早期利上げを嫌気した株式市場の下落がリスク回避の円買いを促した。ただ、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が「予想通り経済成長すれば、6、7月の利上げは合理的」と述べたと伝わると再びドルが買い戻された。
株式市場は、前日公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、大半の参加者が6月の利上げを適切と考えていることが示され、利上げはインフレの抑制につながるが、同時に景気拡大の妨げとなり、株式市場の流動性を低下させるとして、この日のS&P500種企業の主要10業種のうち6業種が下落した。マイクロソフトが1%安、通信大手ベライゾン・コミュニケーションズが1.5%安で、ともにS&P500種の重しとなった。ダウ平均構成銘柄の小売最大手ウォルマート・ストアーズは第1四半期決算がアナリスト予想を上回ったことを好感して9.6%%の大幅高となり、ダウ工業株30種平均は、17435.40ドルの▲ 91.22ドル安で引けた。
金相場は、FRBによる6月利上げ観測が台頭するなか、為替市場でドル買い・ユーロ売りが加速し、ドル建て金の割高感から売り圧力が強まった。さらに利上げ観測を背景に金利を生まない金を手放す動きも広がり、一時1244.60ドルまで下落しが、ユーロが対ドルで買い戻されると下げ幅を縮小した。
原油相場は、前日の早期利上げの可能性を示唆するFOMC議事要旨公開を受けて、為替市場でドル買い・ユーロ売りが加速するなか、ドル建て原油の割高感から弱含みで推移していた。 しかし、ナイジェリア最大の原油ターミナルが過激派による攻撃予告で閉鎖されたとの報が伝わると供給不安が再燃し、原油を買い戻す動きが強まり下げ幅を大幅に圧縮した。
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