米国景気に急ブレーキ

 


北川博文のNY市況

28日NY債券市場は、サウジアラビアが、各産油国の生産量を最大5%削減することを提案したとのロシア・エネルギー相発言を好感した原油相場の反発でインフレ期待が高まり、また米商務省が公表した昨年12月の耐久財受注は前月比5.1%減と、2014年8月以来となる1年4カ月ぶりの大幅な落ち込みを記録し、米景気に急ブレーキがかかったことをあらためてうががわせたことから国債が買われ、利回りは低下した。

為替市場は、朝方発表された昨年12月の米耐久財受注が大幅減となったことを受け、FRBの利上げペースが緩やかになる可能性があるとの見方が広まり、ドルは対ユーロで1月20日以来の低水準に下落し、また原油価格の上昇で資源国通貨が買われ、ドルはユーロ 以外の欧州通貨に対しても下落した。

株式市場は、好決算を発表したインターネット交流サイトの大手フェイスブックが15.5%となり、2013年以降で最大の上昇を記録し、グーグルの親会社であるアルファベットも4.28%高となりS&Pハイテク株指数を押し上げた。加えてサウジアラビアなどの石油輸出国機構(OPEC)が減産するとの思惑から原油相場が上伸し、S&Pエネルギー株指数は3.15%上昇した。ダウ工業株30種平均は、16,069.64ドルの+125.18ドル高で引けた。

金相場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明がハト派色の強い内容だったことから、追加利上げのペースが想定よりも緩やかになるとの思惑で朝方まで堅調に推移していたが、その後は原油や株価の上昇でリスク警戒感が後退し利益確定の売りに押されて反転し、マイナス圏に沈んだ。

原油相場は、ロシアのノバク・エネルギー相がこの日、石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国が2月に閣僚級会合を開催する見通しだと述べ、OPEC内でも湾岸諸国の代表が市場安定化に向けてサウジと協力する姿勢を表明したことから、主要産油国による協調原産への期待が高まり、相場は朝方に一時34.82ドルまで急伸した。ただ、その後はイランが制裁解除を機に輸出量を増やすとみられ、産油国間の供給抑制合意は容易でないとする懐疑的な見方も根強く上げ幅を削った。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • にほんブログ村 株ブログへ

    にほんブログ村

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。

CAPTCHA


*