原油相場の上昇でドル高・株高

 


北川博文のNY市況

12NY債券市場は、原油価格が4カ月ぶり高値に上昇したことを受けて米株価も堅調に推移し、投資家のリスク選好から安全資産とされる国債が売られ、指標となる10年債利回りは前日比0.05%上昇して1.78%となった。ただ、世界の経済成長が減速し、インフレも沈滞した状況が続くとの懸念から、利回りは世界的に大きく低下している。国際通貨基金(IMF)12日、世界の成長率予想を下方修正し、世界経済が停滞期に陥るリスクが高まっていると警告した。

為替市場は、日本当局による円高けん制発言などを受けて円売り・ドル買い地合いのなか、原油相場が1バレル/42ドル台まで上昇し、株価も上昇したことから投資家のリスク回避姿勢が後退し、円は一時10879銭まで下落した。

株式市場は、原油市場で17日の主要産油国による会合を前にロシアとサウジアラビアが増産凍結に合意したと報じられ、原油相場が約4カ月ぶりの高値をつけるとエネルギー関連銘柄が買われて市場を牽引し、S&P500種の10セクターすべてが値上がりした。また、第1・四半期の企業決算発表が本格的に始まるなか、投資家が物色買いに動いたこともあり、ダウ工業株30種平均は、17,721.25ドルの+164.84ドルで引けた。

金相場は、為替市場でドルが対ユーロで上昇し、さらに米株相場が上伸したことから、リスク資産への投資意欲が回復し安全資産とされる金に売り圧力が強まった。ただその後は、米主要企業決算の発表が前日から本格化するなか、企業業績への警戒感がくすぶり、米経済に対する先行き不安から買い戻しが入ってプラス圏に浮上した。

原油相場は、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国が17日にカタールの首都ドーハで開く会合で、増産凍結で最終的に合意に達するとの期待から買いが膨らみ大幅続伸した。また、サウジアラビアとロシアがイラン抜きでも増産凍結で合意する方針を確認したとの報が流れ、イラン抜きでの凍結に否定的な見解を示してきたサウジが、会合を数日後に控えて容認姿勢に転じたとの思惑から一段と買いに弾みがつき42ドルを突破した。

 

 


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