米経済指標堅調で利上げ観測台頭

 


北川博文のNY市況

17日NY債券市場は、米労働省が発表した4月の消費者物価指数(CPI)が0.4%上昇と市場予想を上回り、伸び率が3年2カ月ぶりの大きさとなったことを受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げ観測が急浮上したことから、短期国債利回りが約3週間ぶりの高水準をつけた。指標となる10年債利回りは、1.78%に上昇した。

為替市場は、堅調な経済指標やインフレ指標の上昇を受けて米国の早期利上げ警戒感から米株価が下落し、投資家心理の悪化から安全資産としての円買いが優勢となり、円は109円近辺で強含む展開となった。

株式市場は、4月の消費者物価指数(CPI)が大きな伸びとなったことから、米連邦準備理事会(FRB)による年内の利上げを後押しする可能性があるとして、主要10業種指数のうち9業種の指数が低下し、利上げ観測が強まる局面で売られる傾向にある公益株と主要消費財株の下げが大きかった。ダウ工業株30種平均は、 17,529.98ドルの▲ 180.73ドル安で引けた。

金相場は、堅調な米経済指標の発表を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げの可能性から、金利を生まない資産である金には売りが出て相場は一時1270.10ドルまで下落した。 しかしその後は、米株相場が早期利上げに対する警戒感から一段安となったことから、投資家心理が悪化し安全資産である金に「質への逃避」買いなどが入ったことで、相場は堅調に転じた。

原油相場は、この日も米金融大手ゴールドマン・サックスが今年下半期の石油価格見通しを50ドルに上方修正したことが引き続き支援材料視され、加えて国際エネルギー機関(IEA)が12日に公表した5月の石油市場報告で、今年の世界的な原油の供給過剰が偶発的な生産障害により緩和される可能性があると指摘したことから、世界的な供給不足見通しを背景に続伸した。


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