原油高による株価上昇

 


北川博文のNY市況

16日NY債券市場は、米株価や原油価格の上昇を受けて、安全資産とされる米国債への需要が後退したほか、国内景気指標が短期インフレ加速の可能性を示したことを材料視して、2-7年債の利回りが長期国債利回りよりも上昇し、2年債利回りは、0.79%まで上昇、10年債利回りは1.75%と、13日の1.71%から上昇した。長期のインフレ予想はなお抑制的となっていることをうかがわせた。

為替市場は、米株価や原油価格の上昇などを好感して投資家心理が改善し、安全資産とされる円を売ってドルを買う動きから、円相場は1ドル/109円近辺に下落した。米長期金利が上昇したことも日米金利差拡大の観点から円売り・ドル買いを後押しした。

株式市場は、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイによる約10億ドルの投資が明らかになったアップルが好感されて3.7%高となり、米原油価格が半年ぶりの高値を付けたことで、S&Pエネルギー株指数は1.6%上昇し、主要3指数は軒並み約1%の伸びとなった。ダウ工業株30種平均は、 17710.71ドルの+175.39ドルで引けた。

金相場は、前週末に発表された中国のさえない経済指標などを受けて投資家心理が悪化し、加えて為替市場でドル売り・ユーロ買いが進んだことを背景に割安感による買いも入り、朝方には一時1290ドル前後まで上昇していた。 ただ、その後は原油相場の上昇などを好感して米株価が一段高となったことから、投資家のリスク回避姿勢が後退し、上げ幅を大きく削った。午前中ごろに1276ドル付近に値を下げてからは小動きとなった。

原油相場は、この日米金融大手ゴールドマン・サックスが発表した今年下半期の原油価格を、内戦状態にあるナイジェリアや森林火災が発生したカナダの生産停止の影響で石油市場が供給不足に転じるとし、価格見通しを50ドルに引き上げたことから市場に需給引き締まり観測が強まり買いが活発化して急反発した。またこの日は、為替市場でドルがユーロに対して売られ、ドル建て原油の割安感から買いを誘った。

 


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