中国人民銀行追加緩和策発表

 


北川博文のNY市況

29日NY債券市場は、1月の米中古住宅販売仮契約指数が市場予想に反して低下し、また2月のシカゴ地区購買部協会景気指数も予想以上に低下したことを受けて、年内の米利上げペースが鈍る可能性があるとの見方が 強まり、安全資産としての債券買いを誘った。 また月末を控えたポジション調整に絡む需要も長期債を支える要因となった。

為替市場は、週末開催の20か国 (G20)財務相・中央銀行総裁会議が27日発表した声明で、低成長・低インフレへの具体策を示すことができなかったことを受けて、安全資産とされる円が主要通貨に対して全面高となり、またユーロ圏の2月の消費者物価指数(CPI)が低下したことから、欧州中央銀行が10日の定例政策委員会で緩和策を拡大するとの観測が強まり、ユーロは対円で約3年ぶりの安値を付けた。

株式市場は、中国人民銀行の預金準備率引き下げや原油相場の反発などが好感されていたが、ヘルスケア株の下げが重しとなり全体を押し下げた。また原油先物相場が3%上昇したにもかかわらず、エネルギー株は月末の調整売りも加わり朝方の上昇を維持できなかった。ダウ工業株30種平均は、16,516.50ドルの▲123.47ドル安で引けた。

金相場は、中国人民銀行が景気下支えを目的に預金準備率の引き下げを発表したが、市場では逆に中国経済状況の悪化が改めて意識されてリスク回避志向が強まり、また2月のシカゴ地域景況指数(PMI)が大幅低下したことで、米経済の先行きにも不安が広がり安全資産としての金への買い意欲が増し3営業日ぶりに反発した。

原油相場はこの日、中国人民銀行が預金準備率の引き下げを発表し、4カ月ぶりとなる追加金融緩和策により中国エネルギー需要が上向くのではないかとの思惑から買い意欲が高まり、一方でサウジアラビアなど主要産油国による増産凍結への期待も根強く、また直近の米石油掘削リグ稼働数が低水準に落ち込んでいることから米国内でも生産調整が徐々に進行中との見方も広がり、世界的な需給不均衡の解消期待を背景に反発し正午過ぎに一時33.98ドルの高値を付けた。


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