原油の大幅反落で米株価下落

 


北川博文の相場独り言

昨日の日経平均株価は、前日のNY市場の上昇を受けて強含みで始まったが、為替市場のポンド安の流れから円高に振れると戻りに売りが浴びせられ、終盤に下げ幅を広げました。 日経225先物当限は、15,260円と前日比▲20円と横ばいで引けています。

マザーズ指数は、980.27と1000の大台を割り込みました。

ポンド/円相場の流れは、2008年リーマンショック前の2007年8月の安値251.08円からショックにより、2009年2月に125.28円まで大きな円高となりました。その後も緩い円高が進行し2011年9月116.83円で終わりました。この下落は、綺麗なエリオット波動第5波を形成して終わっています。 その後は調整戻しの上昇波の円安が進行し、2015年6月に195.88円の安値で円安で調整波が終わりました。この調整波は、2009年2月の円高から62.8%、2011年9月からは58.88%の戻しとなり、黄金比61.8%近辺で終了したことになります。 現在の円高ポンド安はリーマンショック円高の調整波をこなして進行し、7日は128.76円まで円が買われています。私の手元にあるポンド円の過去50年間のチャートの最高値は、リーマンショック後の116.83円です。目先、この抵抗線を大きく割り込むことは考えにくく、今の勢いからすると今月中に到達しそうです。 日経平均株価は、ポンドが調整戻しを終了した同月6月に先物高値20950円をつけて、今の調整下げが始まりました。株価はポンド安に歩調を合わせて下げ、ポンドが下げ止まるであろう今月末前後に終わると考えます。
NY市況

7日NY債券市場は、ADP全米雇用報告で民間部門雇用者数の伸びが17万2000人と市場予想を上回ったことから債券利回りは上昇した。 たた、米国の30年債利回りは海外勢にとっ て投資妙味が高いため終盤にかけて買われ、長期国債利回りが低下し指標となる10年債利回りは横ばいとなった。

為替市場は、原油価格が大幅に反落したことを受けて米株価も下げに転じ、リスク回避姿勢の強まりから安全な資産とされる円に買いが入った。 この日発表された6月のADP全米雇用報告や新規失業保険申請件数などの経済指標は、いずれも堅調ぶりを示す内容だったが翌日の雇用統計を控えた様子見ムードが円の上値を抑えた。

株式市場は、欧州市場の株価が上昇したことから強含みで始まったが、原油の週間統計で在庫が予想ほど減少しなかったことで原油価格が下落、これを受けてエネルギー関連株に売りが出てエクソンモービルやシェブロンなどが売られた。また、英国のEU離脱決定以降、資金の安全な逃避先として買われていた配当利回りの高い公益株と電気通信サービスも全般に下げた。終盤は、雇用統計発表を控えた調整買いなどもあり下げ幅を圧縮し、ダウ工業株30種平均は、17895.88ドルの▲22.74ドル安で引けた。

金相場は、米雇用統計の発表を翌日に控えて警戒感が広がるなか、この日発表された米雇用関連指標が良好な内容だったことから、米追加利上げの可能性が意識されて利益確定の売りなどで反落した。ただ、依然として世界経済の先行き不透明感が強いことから下値は限定的だった。

原油相場は、前日に発表された米石油協会週報で原油在庫とガソリン在庫が大幅に減少したことから強含みで推移していたが、この日の米エネルギー情報局(EIA)の在庫週報で原油在庫が前週比220万バレル減となったにもかかわらず、減少幅が市場予想を下回ったことをきっかけに売りが台頭し大幅反落となった。


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