米経済指標堅調で株高

 


北川博文の相場独り言

前日の東京株式市場は、欧州中央銀行がイタリア銀行大手に対して不良債券比率を下げるよう書簡を送ったとの報で、英国のEU離脱問題がイタリアの不良債権問題を再燃させ、金融不安が広がるとの警戒感から東京市場でも金融株に売り圧力が強まりました。また為替市場では、EU離脱を背景としたポンド売りの流れが続き、安全資産としての円買いを誘い、一時100円58銭まで買い進まれました。これらを背景に日経平均株価は、▲370円安の15,299円で引けました。

マザーズ指数は、一時989.61まで売り込まれ、午後は安値拾いの買いから下げ幅を圧縮し、1010.60と前日比▲32.25安で引けました。

日経225先物は、調整下げ目標値段を達成していないため、6月24日安値を抜いて2015年4月安値13,850を目指すと考えられます。それを割り込むようだとエリオット波動第1波上昇波61.8%の押し13,032円がターゲットになります。

マザーズ指数24日の828.77は、下げ過ぎの値段で値段調整は終っています。今後は日柄調整ですが、日経平均株価に合わせて900を割るところまでの下げがあるかもしれません。 今の日経平均株価の下げは、エリオット波動上昇波第3波へ向かうための調整第2波下降波です。現物株だけの投資家は、我慢して耐え忍んでください。先物を理解されている投資家は、売りヘッジで戦況を冷静に眺めているか、オーバーヘッジでリターンを手にしていることでしょう。

NY市場は、FOMC議事録の公開で戻しでいます。ドル建て日経平均も上昇していますから、今日の東京市場は強含みで推移するでしょう。市況環境が整うまで飛びつき買いは禁物です。

 

NY市況

6日NY債券市場は、米サプライ管理協会(ISM)が発表した6月の米非製造業景況指数が市場予想を上回る良好だったことから投資家心理が改善し、株価も上昇して利益確定の売りが出た。指標となる10年債利回りは、1.373%とわずかながら上昇した。

為替市場は、世界的な景気先行き不透明感からリスク回避目的の円買い・ドル売りが進行し、対ドル円相場は一時100円20銭付近まで上昇した。しかし、米サプライ管理協会(SMI)発表した6月の非製造業景況指数が市場予想も上回ったことから、米景気への先行き懸念が和らぎドルが買い戻され、円は101円台に反落した。

株式市場は、6月の非製造業総合指数が7カ月ぶりの高水準となる良好な内容だったにもかかわらず、日本や欧州の株価下落を受けて弱含みで推移していた。しかし、午後に公表された6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で国内雇用の大幅な減速に対する不安と、英国民投票の結果がもたらす影響を見極めた上で利上げすべきだとの考えが共有されていたことが分かると上昇に転じた。S&Pの主要セクターではヘルスケア1.2%高と市場をけん引した。また原油高に伴ってエネルギーも0.6%上がった。ダウ工業株30種平均は、17918.62ドルの+78.00ドル高で引けた。

金相場は、世界経済の先行き不透明感から安全資産とされる金に対する需要が根強く買い優勢で推移した。ただ、6月の非製造業景況指数が好調な内容だったことから、一時売られる場面もあった。

原油相場は、6月の米非製造業景況指数が好調だったことを受けて、米株価がプラス圏に浮上したことで、投資家心理が改善し原油も買われた。また、為替市場でユーロに対するドル安がドル建て原油の割安感につながり買い材料となった。
 


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