日銀追加金融緩和見送りで円急騰

 


北川博文のNY市況

29日NY債券市場は、 ユーロ圏の第1四半期総生産(GDP)が堅調な伸びを示したことで独10年債利回りが0.3%を超え6週間ぶりの高水準に迫って上昇し、これを受けて米国債利回りにも上昇圧力がかかったものの、その後に発表されたミ シガン大学の4月の米消費者信頼感指数確報値などが軟調だったことで上げ幅を縮小、利回りは低下に転じた。

為替市場は、日銀の追加金融緩和見送りを受けて投機筋の仕掛け的な円買いが膨らんで円が急騰し、一時、約1年半ぶりに106円台に乗せた。その後は107円10銭付近でこう着状態を続けていたが、再度106円台に突入した。

株式市場は、企業決算がさえない内容だったほか、経済指標も軟調だったことから続落した。医薬品開発のギリアド・サイエンスはC型肝炎治療薬の売上高が予想に届かず、第1四半期利益が市場予想を下回って9.1%安となった。また、アップルが7営業日続落する一方で、アマゾン・ドット・コムは予想を上回る決算を手掛かりに急伸した。S&P500種株価指数は前日比0.5%安の2065.30、ダウ工業株30種平均は17773.64ドルの57.12ドル安で引けた。

金相場は、日銀が28日の金融政策決定会合で追加緩和の見送りを決定したことに加え、相次ぐ低調な米経済指標発表で景気に対する先行き不安が広がり、安全資産である金への「質への逃避」買いが入った。また、為替市場ではドル売り・ユーロ買いが一段と進み、ドル建て金の割安感から約1年3カ月ぶりの高値を付けた。

原油相場は、為替市場で対ユーロでのドル安を背景にドル建て原油の割安感が生じて買われ、午後中46ドル台で推移していた。その後、47ドル近くになると高値警戒感などから利益確定やポジション調整目的の売りが出て上げ幅を削った。

 


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