雇用統計控え様子見ムード

 


北川博文のNY市況

5NY債券市場は、4月のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)民間雇用者数が20134月以来の小幅増にとどまり、朝方発表の新規失業保険申請件数が昨年2月以来の大幅増となったことから、今晩発表予定の4月雇用統計が市場予想を下回る可能性を指摘し、指標10年債利回りは1.745%418日以来の低水準となった。

為替市場は、米雇用統計の発表を翌日に控えて様子見ムードのなか、最新週の新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったことから米経済への弱気な見方からドルが売られ、円相場は一時106円台後半まで強含んだ。しかしその後、訪英中の安倍晋三首相が急激な円高をけん制する発言をしたことなどをきっかけに、ポジションを調整する動きが強まり、午後にかけて107円台前半で小動きに終始した。 

株式市場は、朝方大きく上昇していたものの、4月の米雇用統計発表を翌日に控え、消費関連銘柄に売りが出たことで失速し、ほぼ横ばいで終了した。エネルギー株は、原油価格が伸び悩んだ影響から上値が重く、S&Pエネルギー株指数は、0.7%上昇にとどまった。ダウ工業株30種平均は、17660.71ドルの+9.4ドル高で引けた。

金相場は、前日まで利益確定の売りに押され続落していたが、この日は安値拾いの買いなどが入り朝方は一時1288.40ドルまで上昇した。しかしその後、対ユーロでドルが上昇したことで売りが優勢となり上げ幅を削りマイナス圏に沈んだ。ただ、米国の追加利上げが後ずれするのではないかとの一部観測や世界経済の先行き不透明感などを背景に金を買い支える動きも見られ、下げ幅は限定的だった。 

原油相場は、カナダのアルバータ州で1日に発生した森林火災が勢いを増し、周辺の主立った石油関連施設が相次ぎ稼働縮小や操業停止を発表したことから、同国の産油量が大幅に減少し、短期的に供給が逼迫する可能性があるとの警戒感が広がり、加えて国家が分裂状態にあるリビアが一段の減産危機に直面していることから、これらの材料を手掛かりにじりじりと上昇し、一時46.07ドルの高値を付けた。ただその後は、WTI原油の受け渡し拠点である米オクラホマ州クッシングの週間在庫増を示す民間報告などを嫌気し、利食い売りなども出て急速に上げ幅を縮めた。 

 


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