FRB金利据え置き

 


北川博文のNY市況

27日NY債券市場は、  連邦準備制度理事会(FRB)がFOMC声明で、世界経済と金融動向が「リスクをもたらす」との文言が削除されたことで、6月利上げの可能性を残したとの思惑から短期国債の投資妙味が低下する一方で長期の国債価格が急上昇し、指標となる10年債利回りは1.856%と前日終盤から7.5ベーシスポイント(bp)低下した。

為替市場は、連邦準備制度理事会(FRB)がFOMC声明で、追加利上げの見送り決定を発表し、経済活動について景気認識を下方修正する一方、世界経済や国際金融情勢のリスクに関する文言は削除したことから、強弱材料が入り交じる内容となり発表直後に対ドルでの円相場は一時70銭程度大きく上下に振れた。ただ、その後は中立的な内容と市場で受け止められ、若干ドル買いが優勢の展開となった。

株式市場は、米連邦準備理事会(FRB)がFOMC声明で6月利上げの可能性を明確に示さなかったことを受け、安心感が広がり強含みで推移した。FOMC声明を受け、通信株と公益株が大きく値上がりし、一方、決算発表で13年ぶりの減収となったアップルは、6%強の下落となりナスダック指数の下押し要因となった。ダウ工業株30種平均は、18041.55ドルの+51.23ドル高で引けた。

金相場は、為替市場でのドル安・ユーロ高基調を支援材料に朝方から堅調に推移し、終日にわたりプラス圏での動きとなった。ただ、FOMC声明が発表されると、一時的に大きく上下動したが、声明内容が中立的だったこともあり、その後は1250ドル付近の水準で落ち着いた。

原油相場は、前日の米石油協会(API)が発表した週間在庫統計で110万バレルの減少となり強含みで推移していた。しかし、本日の米エネルギー情報局(EIA)の原油在庫週報は、前週比200万バレル増の5億4060万バレルと過去最高水準を記録し、これを受けての失望売りから一時的に売り込まれた。その後、為替市場でドル安・ユーロ高基調が続くなか、ドル建てで取引される原油には依然割安感があり、安値圏では旺盛な買い戻しが入り、加えてFOMC声明で6月の追加利上げに向けた明確なサインがなかったことから一段高となった。


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