FRBイエレン議長議会証言

 


北川博文のNY市況

10日債券市場は、連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が下院金融委員会で行った 証言で、FRBは必要に応じて金融政策を調整する柔軟性を持ち合わせているとの認識を表明し、また株式市場が落ち着きを取り戻したことから国債利回りは低下した。イエレンFRB議長は、金融情勢の引き締まりや中国をめぐる不透明感などが米経済に対するリスクとなる恐れがあるとの認識を示しながらも、FRBが12月に開始した金融引き締めサイクルを覆す必要が出てくる公算は小さいと語った。

為替市場は、イエレンFRB議長が下院金融委員会で行 った証言がハト派的と受け止められて円への逃避買いが膨らみ、ドルに対して急伸し、一時1ドル/113.20ドルまで値上がりした。

株式市場は、FRBイエレン議長が議会証言で利上げに含みを残しながらも米経済の下振れリスクを指摘したことで方向感のない動きのなか、原油価格が下落するとエネルギー関連株が売られて相場全体を押し下げ、ダウ工業株30種平均は、15,914.74ドルと▲99.64安で取引を終えた。

金相場は、8カ月ぶりの高値を付けた反動から利益確定の売りが先行し、為替相場で対ユーロなどでドルが上伸するとドル建て金の割高感につながり、6営業日ぶりに反落した。

原油相場は、1月のOPEC諸国の石油生産量が前月比で13万バレル増加し、2015年の供給過剰が日量202万バレルに達したことも明らかになるなか、イエレンFRB議長が議会証言で、海外の景気減速や金融市場の変動に強い警戒感を示したことから、エネルギー需要の減退懸念が再浮上し朝から売り圧力が強まった。その後、米エネルギー情報局(EIA)が発表した在庫週報で米原油在庫が前週比80万バレル減と市場予想を下回ったことから29ドル台に急伸する場面もあったが、為替市場でドル高・ユーロ安が進むとドル建て原油の割高感から再び売られ、1バレル/27.45ドルと5営業日続落となった。


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