原油相場続伸で株価下支え
北川博文の相場独り言
夜間取引の日経225先物は、米国の早期利上げ観測が後退したことを背景に円買い・ドル売りが進行し、円相場が1ドル/99円台後半に上伸したことで、瞬間的に16500円を割る場面も見られたが、原油価格の上昇を受けて米株価も下値が限定的となる横ばいで推移したことから、同様の展開となった。
コモディティ相場が持ち直して株価も底堅く推移していることから、世界経済が回復基調に向かっていることが裏付けられる一方で、主要国の金融政策の不透明感から世界の株価は安値での保合や高値での踊り場相場が続いている。
下は、中国・ドイツ・アメリカ・日本の主要株価指数週足チャートを並べてみた。底値圏、踊り場を形成していることが分かる。どのチャートも、今にも上放れしそうに見えるのは私だけだろうか。
中国・上海総合指数週足チャート
ドイツ・DAX週足チャート
アメリカ・ダウ工業株30種平均週足チャート
日本・日経平均株価週足チャート
【NY市況】
18日NY債券市場は、前日の7月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の発表を受けて、米早期利上げ観測が後退したことから債券利回りは低下した。朝方公表された新規失業保険申請件数、8月のフィラデルフィア業況指数は良好だったが市場への影響はなかった。指標となる10年債 利回りは、1.534%と前日から1bp(ベーシスポイント)低下した。
為替市場は、米早期利上げ観測が後退したことを背景に円買い・ドル売りが進行し、円相場は1ドル/99円台後半に上伸した。途中、NY連銀のダドリー総裁がこの日の記者会見で「私の見通しは変わっていない」と発言したことで、ドルは一時的に100円49銭まで買われたものの、午後にかけて下げ幅を広げる展開となった。
株式市場は、原油価格の上昇を受けてエネルギー関連株に買いが入ってS&P エネルギー株指数が1.8%上昇し、またウォルマート・ストアーズが業績予想を引き上げて1.9%上昇し、相場を押し上げる要因となった。最近の原油価格の上昇を受けて株価も底堅く推移している一方で、FRB当局者の利上げ発言で方向感のない動きとなり、主要指数は終盤に上昇するまで横ばいで推移した。ダウ工業株30種平均は、18597.70ドルの+23.76ドル高で引けた。
金相場は、米国の早期利上げ観測が後退したことを受けて、金利を生まない資産である金に買いが入った。 また、この日も一段とドル売り・ユーロ買いが進行したため、ドル建て金の割安感からも買われた。
原油相場は、9月下旬の石油輸出国機構(OPEC)の非公式会合で、主要産油国が生産調整に向けて合意するとの期待が高まり、さらに米エネルギー情報局(EIA)が前日発表した原油在庫が減少に転じたことで需給の引き締まり観測が強まり、朝方からほぼ一本調子で上昇した。
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