安部首相発言で円高

 


北川博文のNY市況

1日NY債券市場は、中国のさえない統計や英国の欧州連合(EU)離脱懸念を背景に、2年債と5年債の利回りは一時5月中旬以来の水準に低下する場面もみられたが、 5月の米供給管理協会(ISM)製造業景気指数が51.3に上昇し、3カ月連続で節目となる50を上回ったことから株価が上昇し、加えて米連邦準備理事会(FRB)が地区連銀経済報告でインフレ上昇や労働市場の改善を指摘したことから短期国債利回りは上昇に転じた。

為替市場は、安倍晋三首相が消費税増税再延期を表明したが、経済対策の具体的内容を示さず、世界経済の不透明感を強調したことからリスク回避の動きが台頭し、安全資産とされる円を買ってドルを手放す動きが活発化した。 ただその後、5月の製造業景況感指数が51.3に上昇し、米経済の底堅さを示唆する内容と受けとめられドルが若干買い戻され、円は上げ幅を削った。

株式市場は、5月製造業景気指数が3カ月連続で拡大したことや、原油価格が終盤下げ渋ったことが支えとなり、ナスダック総合指数は6日続伸、S&Pの10セクター中7セクターが上昇した。ダウ工業株30種平均は、 17789.67ドルの+2.47ドル高で引けた。 市場は、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ時期の手掛かりを得るために、2日のADP民間雇用報告、3日の5月米雇用統計に注目している。

金相場は、米サプライ管理協会(ISM)が発表した5月の製造業景況指数が市場予想を上回ったことを受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げ観測が再び高まり、金利を生まない資産である金はマイナス圏に沈んだ。 だた、為替市場でドル高・ユーロ安が一服したことや原油相場の下落を嫌気してリスク投資意欲が後退したため、安全資産とされる金は買い支えられる場面も見られ、下値は限定的だった。

原油相場は、中国メディアが発表した4月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)が低調だったことで、同国の景気先行きに対する懸念の強まりから売り優勢で始まった。ただその後、2日開催の石油輸出国機構(OPEC)で生産上限が再び協議される公算が大きく、サウジアラビアがこの上限設定に前向きな姿勢を示したとの報道で、生産抑制への期待感から急速に下げ幅を圧縮した。


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