原油高・株高でリスク選好のドル高

 


北川博文のNY市況

25NY債券市場は、6月の利上げ観測に加え、同日未明にユーロ圏財務相会合で対ギリシャ追加融資枠を承認し、債務軽減への道筋をつけたことや原油価格上昇を背景にリスク選好意欲の高まりから、安全資産とされる国債が売られた。ただ、午後に実施した5年債入札が高水準だったことから利回りは前日とほぼ変わらずとなった。

為替市場は、世界的な株高や原油価格の上昇を受けてリスク投資意欲が高まるなか、円は一時110円台半ばに軟化したものの、新規の取引材料に乏しく狭いレンジで推移した。この日は主要な米経済指標の発表もなく、FRB高官らの発言に注目が集まったが、目新しい内容に乏しかったため、相場はほとんど動意付かなかった。

株式市場は、原油価格が上昇したことを受けてエネルギー関連株に買いが入って相場を主導し、加えて利上げの恩恵を受けるとの見方からS&P金融株指数が1%上昇し、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン、シティグルーブがそれぞれ1.5%を超える値上がりとなった。一方、中国の電子商取引大手、アリババ・グループ・ホールディングは会計処理をめぐり、米証券取引委員会(SEC)の調査を受けていることが材料視され6.8%の大幅安となった。ダウ工業株30種平均は、17851.51ドルの+145.46ドルで引けた。

金相場は、原油価格の上昇を受けて欧米株がともに続伸し、投資家のリスク選好意欲の高まりから安全資産としての金需要は減退した。また、為替市場ではドル買い・ユーロ売りの動きが継続しており、ドル建て金の割高感から6営業日続落となった。

原油相場は、米エネルギー情報局(EIA)が発表した米原油在庫週報で、市場予想を上回る大幅な減少となったことから発表直後は49.63ドルまで上昇した。ただ、ガソリン在庫が減少予想に反して増加したことによる失望売りも出て上げ幅を縮小する場面も見られた。

 


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