利上げ観測で金融株高・ドル高
北川博文のNY市況
24日NY債券市場は、4月の新築1戸建て住宅販売が年率換算で前月比16.6%増と8年ぶりの高水準となったことや、早期利上げ観測から金融株が買われ、米株価が200ドル超上昇したことを受けて国債価格が下落し、2年債利回りは一時2カ月ぶりの水準に上昇した。ただ、2年債入札が応札倍率3倍と高水準だったことから買い戻され、指標となる10年債利回りは低下した。
為替市場は、原油価格の上昇や米住宅関連指標の改善を背景に米株価が上昇したことで、安全資産としての円に売り圧力が強まり、円相場は1ドル/110円付近に下落した。
株式市場は、最近のFRB高官発言をきっかけに、早期に利上げする可能性をめぐる過度な不安が和らぎ、金利上昇の恩恵を受けるとみられる金融株が堅調に推移し、バンク・オブ・アメリカは1.5%、シティグループとJPモルガンはともに1.4%超値上がりした。ハイテク株も堅調で、マイクロソフトが3.1%高となり、ナスダック総合指数とS&P総合500種をけん引した。ダウ工業株30種平均は、17,706.05ドルの+213.12ドル高で引けた。
金相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)当局者のタカ派的発言を受け、ドルが主要通貨に対して2カ月ぶり高値を付けたことで、ドル建て金の割高感から下落し、4週間ぶり安値を付けた。
原油相場は、為替市場でドル高・ユーロ安が加速し、ドル建て原油の割高感が強まったほか、カナダでの森林火災やナイジェリアでの内戦に伴う供給不安が解消されて相場の重しとなっていたが、官民の米週間石油在庫統計による在庫減少見通しや、良好な住宅関連指標によるエネルギー需要の増加期待から反発した。
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