低調な決算で米株価急落

 


北川博文のNY市況

11日NY債券市場は、米財務省が実施した10年債入札が旺盛な需要を集めたことから上昇し、利回りは低下した。10年債入札の最高落札利回りは1.71%となった。

為替市場は、主要な米経済指標の発表がなく手掛かり材料に乏しいなか、持ち高調整や利益確定のドル売りが先行し、米株価が徐々に下げ幅を拡大すると投資家のリスク回避志向が強まって円買いを後押し、1ドル/108円台前半に上申した。ただ、麻生太郎財務相や浜田宏一内閣官房参与が過度に円高が進めば市場介入に踏み切る姿勢を示していることが、引き続き円の上値を抑えている。

株式市場は、低調な内容となったウォルト・ディズニー、メーシーズ、フォッシル・グループの決算を受け、消費関連銘柄の売りが広がり大幅安となった。娯楽のディズニーは四半期利益が市場予想を下回ったことが嫌気され4%の下落、業績見通しを引き下げた百貨店のメーシーズが15.2%安、時計・ファッションアクセサリーのフォッシル・グループも29%安となった。S&P総合500種は、前日のアマゾン・ドット・コムの買いに引っ張られた上昇分を帳消しにした。ダウ工業株30種平均は、17711.12ドルの▲ 217.23安で引けた。

金相場は、米株価が利益確定の売りや低調な米企業決算に圧迫されて大幅安となるなか、為替市場でドル高が一服し、ユーロ買い・ドル売りの流れに転じると、割安感からの安値拾いの買いや安全資産としての「質への逃避」買いが入って3営業日ぶりに反発した。また連邦準備制度理事会(FRB)が追加利上げに対して慎重な姿勢を示していることも引き続き支援材料となっている。

原油相場は、米エネルギー情報局(EIA)週間在庫統計で原油在庫が前週比340万バレル減と、市場予想の70万バレル増に反して大幅な減少となり、加えてガソリンなどの石油精製品在庫も減少したことから供給過剰懸念が後退し大幅続伸となった。 また為替市場でドル安・ユーロ高が進んだこともドル建て原油の割安感から相場を支えた。


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