米雇用環境の悪化

 


北川博文のNY市況

12NY債券市場は、ボストン地区連銀のローゼングレン総裁が第2四半期の経済指標が好調なら米連邦準備理事会(FRB)は利上げすべきと発言したことに反応し、国債価格が下落して指標となる10年債利回りは1.76%となった。

為替市場は、米金利の上昇や原油、欧州株の堅調な値動きを受けて円安ドル高で推移していたが、米週間失業保険申請件数が市場予想を上回ったことから円売りの流れが一変し、リスク回避姿勢の強まりで円はじりじりと下げ幅を縮める展開になった。ユーロは対ドルで朝から軟調だったが、午後は米指標などを眺めた買いで下げ幅を縮めた。

株式市場は、多数のポートフォリオに主力銘柄として組み入れられているアップル株がスマートフォンの需要鈍化への懸念から売られて2年ぶりの安値をつけて主要3指数を押し下げる要因になったが、S&P総合500種とダウ工業株30種は前日終値を挟んで上下に動く展開となり、両指数ともほぼ変わらずの水準で終了した。

金相場は、朝方発表された米新規失業保険申請が市場予想を上回ったことから、雇用環境の悪化懸念で対ユーロでドルが軟化し、ドル建て金の割安感から買われ、午前中に一時プラス圏に浮上した。しかしその後、再びドルの買い戻しが優勢になると下落に転じた。

原油相場は、米エネルギー情報局(EIA)週報で米原油在庫が減少したことを好感した買いに引き続き支えられ、朝方に一時47.02ドルまで上昇した。しかしWTI原油の受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングの在庫が増加したことや、大規模な森林火災の影響で中断していたカナダ西部アルバータ州のオイルサンド産地で生産再開の兆しが見え始めたことなどから、昼頃には一旦マイナス圏に沈んだ。ただ、その後は値ごろ感などから買い戻しが入り、プラス圏に浮上した。

 

 

 


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