原油相場急騰・北川博文のNY市況
31日NY市場は、先週末のフィッシャー米連邦準備理事会(FRB)副議長発言やこの日の原油価格上昇でインフレ懸念の強まりから、債券価格は下落し利回りは上昇した。
為替相場は、株式市場の軟調から円やユーロといったキャリートレード調達通貨が買われてドルが売られた。
株式市場は、FRBのフィッシャー副議長が29日の経済シンポジウムで、ドル高などによる物価下押し圧力が後退するにつれてインフレ率は上向く可能性が大きいなどと発言したことから、9月利上げ観測の可能性が意識され株価は朝方から下落した。しかし、原油価格の上昇でエネルギー関連株が買われると値を戻し、ダウ工業株30種平均は一時16,446(▲197)ドルまで売り込まれたが16,597(▲45)ドルで引けた。
原油相場は、中国株式市場の上海総合指数が3日ぶりに反落したことから、景気減速による世界的な供給過剰懸念が強まり、これに米国の早期利上げ観測などが加わり、朝方から軟調に推移した。しかし、米エネルギー情報局(EIA)が生産月報で6月の国内産油量を前月から10万バレル減少したと公表したことや、石油輸出国機構(OPEC)が最近の価格急落に懸念を表明したことから、減産に踏み切るかもしれないとの思惑が広がったことで、一時49.30ドルの高値まで急騰した。
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