米経済指標堅調でドル高

 


北川博文のNY市況

26日NY債券市場は、原油・株価の上昇を受けて朝方から軟調に推移し、この日発表された1月の個人所得・消費統計で米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注目するコア個人消費支出物価指数が堅調な伸びとなったことを受けて早い時期の利上げの可能性が残されているとの見 方が広がると下げ足を速める格好となった。

為替市場は、発表された一連の米経済指標が概ね底堅い内容となったことで、連邦準備理事会(FRB)が年内に追加利上げを実施するとの観測が再燃し、ドル指数は主要6通貨に対し一時0.86%上昇し3週間ぶりの高水準 をつけた。 ドル/円 は113.99円と、約1週間ぶりの高値を更新した。EU離脱懸念がくすぶる英国ポンド/ドルは、再び7年ぶりの 安値を更新した。

株式市場は、米商務省がこの日発表した昨年第4四半期の国内総生産(GDP)改定値が年率換算で前期比1.0%増と、速報値の0.7%増から上方修正され、米連邦準備理事会(FRB)が割合早く次の利上げに踏み切るかもしれないと思惑が広がり、S&P公益株指数は2.73%低下して相場全体の重しとなった 。一方でS&P素材株指数は3日続伸し、1エネルギー株もプラ ス圏を維持した。

金相場は、米商務省が発表した第4四半期の国内総生産(GDP)改定値が上方修正されたことを受けて、米景気の先行き懸念が後退したことから、為替市場でユーロなどの主要通貨に対してドルが上昇し、ドル建て取引の割高感から売られた。

原油相場は、前日にベネズエラのデルピノ石油・鉱業相が原油安に対処するため、同国とサウジアラビア、ロシア、カタールが3月中旬に会合を開くことを明らかにしたとの報が伝わり、市場では世界的な需給不均衡の解消が徐々に進むとの期待が拡大し、朝方に一時34.69ドルまで上伸した。ただ、その後は石油サービス会社ベーカー・ヒューズが午後に発表した直近の石油掘削リグ数が10週連続で減少したとの情報で、今週の買い材料が出尽くしたことから、目先の利益を確定する動きが活発化し、相場は一気にマイナス圏に沈んだ。


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