市場はクリスマスムード
北川博文のNY市況
21日NY債券市場は、年末を控えた薄商いのなか、米原油価格がやや安定化したことを受けて30年債利回りがわずかに上昇したものの、他の国債はほぼ横ばいで推移し た。 この日は主要な米経済指標の発表がなかったことも動意が薄くなる一因となった。
為替市場は、20日行われたスペインの総選挙で与党の議席が過半数を割り込み同国の財政再建への懸念が高まったが、選挙に向けてユーロを売り持ちにしていた市場参加者のユーロ買戻 しで、クリスマス前の薄い取引のなかドルが売られた。
株式市場は、朝方、アップル やマイクロソフト株価が上昇しで始まり、米国政府が医療保険改革(オバマケア)に基づく公的助成を行う医療保険への加入者が、約600万人に達したと発表したことを受けて医療関係銘柄が買われ、病院経営のテネット・ヘルスケア が11.6%の大幅上昇となり、医療サービ スのユニバーサル・ヘルス・サービシズ も3.6%上昇した。
金相場は、クリスマス休暇を控えて持ち高調整の買い戻しが継続し、朝方からじりじりと上げ幅を拡大した。また、為替市場でドルがユーロなど主要通貨に対して軟化し、ドル建て金の割安感が生じたことも、相場を押し上げる材料となった。
原油相場は、米議会上下両院が先週末、原油輸出を40年ぶりに解禁する2016会計年度(15年10月~16年9月)歳出法案を可決したため、世界的な供給過剰懸念のなか、更に余剰が拡大するとの見方が広がり朝方、約6年10カ月ぶりに34ドルを割り込み、一時33.98ドルまで下落した。売り一巡後は値ごろ感による買い戻しが活発化し、為替市場でドルが対ユーロでじりじりと軟化したことも、ドル建て原油の追い風となってわずかにブラスで終えた。
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