米経済指標悪化でドル安・円高

 


北川博文の相場独り言

夜間取引の日経225先物は、為替市場で前日のADP全米雇用報告の堅調さを受けたドル買いの流れが継続し、NY時間帯に入ると円は10400銭まで下落し、株価は17,070円まで上昇した。その後NY時間の10時に発表された米経済指標の製造業景況指数が市場予想を下回るとドルを売って円を買い戻す動きに転じて約1円幅の円高となり株価も反落した。ただ今晩の米雇用統計発表を控えての警戒感から下値も限定的だった。

今日の東京市場は、今晩の イベントを控えて17,000円の節目での攻防となることが予想されるが、大きな相場の流れはエリオット波動の第2波調整波が終了して第3波に向かい始めている。日足チャートは、レンジ圏内のため戻りの17,000円売りとなり、目先を追うのであれば逆張りで正解となるが、中期・長期スタンスでのトレードは大きな流れを確認する作業が必要となる。

 

日経平均株価・月足チャート

 

【NY市況】

1NY債券市場は、 8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が高水準となったほか、8月英PMIも市場予想を大幅に上回ったことを受けて米国債は軟調に推移していた。その後NY時間の10時に発表された8月の米供給管理協会(ISM)製造業景気指数が半年ぶりに50の節目を割り込んだことを受け、売り局面から一転、買いが入った。指標となる10年債利回りは前日比ほぼ変わらずとなった。

 

為替市場は、前日のADP全米雇用報告の堅調さを受けて欧州時間帯からドル買いの流れが続き、NY時間帯に入るとドル円相場は、一時10400銭まで上昇した。その後、この日発表されたISM米製造業景況指数が市場予想を下回るとドルを売って円を買い戻す動きに転じ、103円台前半まで反落した。

 

株式市場は、今晩の雇用統計の発表を控えて警戒感が漂うなか、米供給管理協会(ISM)が発表した8月製造業景気指数が市場予想を下回り、景気の好不調の判断となる50の節目を割り込んだことで失望を誘い、さらに原油価格の続落を受けてエネルギー株が下落したことも相場を圧迫した。ただ一方で、ヒューレット・パッカードが3.2%上昇、アップルも0.6%上昇するなどハイテクの堅調が目立ってマイナス材料を吸収し、ダウ工業株30種平均は、18419.30ドルの +18.42高で引けた。

 

金相場は、早期追加利上げへの警戒感から軟調に推移していたが、その後発表された米製造業関連指標が低調だったことを受けて、為替市場でユーロの対ドル相場が反転上昇するとドル建て金の割安感から買われ、プラス圏に浮上した。ただ、米雇用統計の発表を翌日に控えて投資家は慎重になっており上値は限定的だった。 

 

原油相場は、前日に米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油在庫が市場予想を大幅に上回ったことから供給過剰懸念が台頭し、この日も下落基調が続いた。また、8月の製造業景況指数が市場予想を下回り、景況判断の節目の50ポイントも下回ったことで、米景気の先行き不透明感が強まり圧迫材料となった。 

 

 

 


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