米雇用統計発表を控えて様子見

 


北川博文の相場独り言

夜間取引の日経225先物は、米雇用統計の発表を週末に控えて様子見ムードのなか、前日の急速な円高ドル安の反動からポジション調整目的の円売り・ドル買いが優勢となったものの、株価の動きは限定的だった。

この日のNY市場は、米エネルギー情報局の週報でガソリン在庫が大幅に減少したことから原油価格が反発し、米株価を押し上げる要因となった。下のチャートはWTI原油の週足で、現在の値段の位置は、20146月高値107ドル近辺から20162月の安値26ドルまでの大暴落に対する調整上昇が始まっているところと見る。チャート上に実線で示したところが底値圏での値動きとなるが、26ドルの安値を頭にした逆ヘッド・アンド・ショルダーを形成し、前回の左肩にあたる部分が37.75ドルで、昨日の安値が39.26ドルで右肩が形作られているように思える。ストキャス%Dは、11.82%と売られ過ぎを示してきている。

SnapCrab_NoName_2016-8-4_8-53-35_No-00

【NY市況】

3日NY債券市場は、雇用統計発表を控え積極的な商いが手控えられ、ポジション調整の動きとなった。また、イングランド銀行が今日の金融政策委員会で、政策金利を引き下げるのではとの思惑もあり市場関係者らが結果を待っている。 指標となる10年債価格は小幅安、利回りは1.539%と前日終盤の1.537%から少し上昇した。

為替市場は、米雇用統計の発表を週末に控えて様子見ムードのなか、前日の急速な円高ドル安の反動からポジション調整目的の円売り・ドル買いが優勢となった。また、この日発表された米民間雇用サービス会社オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)の7月全米雇用報告は、非農業部門の民間就業者数が前月比17万9000人増と、ほぼ想定通りの内容と受け止められ市場への影響は限られた。

株式市場は、ADPが発表した7月の民間雇用者数が市場予想をいく分上回ったことから、利上げの可能性をにらんだ金融株が1%上がり、四半期営業利益がアナリスト予想を上回った保険のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は7.3%上昇した。また、原油価格の上昇で石油関連銘柄が堅調でS&P エネルギー株は1.8%上昇し、10セクターで最も好調だった。ダウ工業株30種平均は、18355.00ドルの +41.2ドル高で引けた。

金相場は、前日に約2年5カ月ぶりの高値を付けていたこともあり、この日は利食い売りが台頭するなか、ADP発表の米雇用報告を受けた為替市場でドルが対ユーロで上昇すると、ドル建て金の割高感による利益確定の売りから反落した。

原油相場は、この日発表された米エネルギー情報局(EIA)週報の原油在庫が前週比140万バレル増と、市場の減少予想に反して増加となったことから、一時大きく値を下げた。しかし、その後のガソリン在庫が330万バレル減と予想を大幅に上回る減少となったことから見直し買いが活発化し、3営業日ぶりに反発した。

 


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • にほんブログ村 株ブログへ

    にほんブログ村

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。

CAPTCHA


*