米企業決算悪化で株価下落
北川博文のNY市況
21日NY債券市場は、欧州連合統計局発表で昨年のギリシャの基礎的財政収支が黒字となったことから、高格付けの欧州国債が弱含んで下支えする米国債を圧迫し、指標10年債利回りが約3週間ぶりの高水準となる1.87%に上昇した。
為替市場は、前日上昇した原油相場が利益確定の売りで反落し、米株価も弱含みな展開となったことから、安全資産とされる円が買われ、円高・ドル安がじわじわと進んだ。ユーロは当初、欧州中央銀行(ECB)が早期に追加緩和策を打ち出すことはないとの見通しで値上がりしていたが、ドラギECB総裁が理事会後の会見で、利用可能なあらゆる緩和手段を「必要な限り」続けると表明したことで下げに転じた。
株式市場は、第1四半期の企業業績の期待値が低くなっているなか、この日はそれすら達成できなかった銘柄への失望売りが広がり、加えて通信大手ベライゾン・コミュニケーションズが従業員のストライキが業績に悪影響を及ぼすとの見方を示したことも重しとなった。ダウ工業株30種平均は、17,982.52ドルの▲113.75安で引けた。
金相場は、欧州中央銀行(ECB)理事会でマイナス金利などの金融政策の据え置きが発表されると、為替市場でドル安・ユーロ高が進行し、ドル建て金の割安感から朝方は一時1272.40ドルまで上昇し堅調に推移した。しかしその後は、前日までの3営業日続伸を受けて利食い売りに圧迫され、さらにドルの対ユーロ相場が上昇に転じると前日比マイナス圏に沈んだ。
原油相場は、前日高値の反動からの利食い売りやポジション調整目的の売りが先行し、さらに軟調だったドルが午後にかけて対ユーロで上昇に転じたことから、ドル建て原油に割高感が生じ、相場の上値を抑えた。
この記事へのコメントはこちら