FRB利上げ見送る

 


北川博文のNY市況

27日NY債券市場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で「世界の経済・動向を注視しており、それが労働市場やインフレに及ぼす影響を見極めている」と指摘し、また「経済見通しへのリスクが均衡している」との文言が外れ「世界経済や金融市場が見通しにどう影響し得るかを検討している」との表現が加わり、声明内容はハト派的として国債が買われ、10年債利回りは声明発表前の2.05%から2.00%に低下した。

為替市場は、FOMCで金利据え置き を決定し、世界の経済・金融動向への指摘がハト派的だったことからドルが売られ、主要6通貨に対するドル指数は約0.4%安となった。

株式市場は、原油の上昇を受けて強含みで推移していたが、FOMC声明文から利上げ路線の大幅な修正は読み取れないと失望感が広がり、終盤にかけて売りが強まった。ダウ工業株30種平均は、15,944.46ドルの▲222.77ドル安で引けた。

金相場は、FOMCの政策決定を午後に控え、持ち高調整の売りに反落した。取引終了後、FOMC声明が発表されると、予想通り政策金利は据え置かれ、早期の追加利上げ観測が後退し、金利を生まない金にとってはプラス材料となり10ドル近く急伸した。

原油相場は、ロシアが石油輸出国機構(OPEC)と協調減産に向けて協議する方針を固めたもようだとの複数の報道を受けて、供給過剰問題が解消に向かうのではないかとの期待感が広がった。また米エネルギー情報局(EIA)が発表した米原油在庫は、前週比840バレル増と予想を大きく上回ったものの、前日発表の米石油協会(API)の在庫(1140万バレル増)を下回ったことから市場の反応は限定的だった。ただ、EIA在庫でディスティレート(留出油)が410万バレル減と予想を大幅に上回る減少となったことから買い安心感が強まり相場を押し上げる材料となった。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • にほんブログ村 株ブログへ

    にほんブログ村

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。

CAPTCHA


*