米経済指標が堅調で株高

2016/02/13

北川博文のNY市況

12日NY債券市場は、1月の米小売売上高統計でコア売上高(自動車、ガソリン、建材、外食を除く)が前月比0.6%増と予想の0.3%を上回ったことから、米経済の減速をめぐる懸念が和らぎ株価が上昇し、さらに原油価格が反発したことで投資家のリスク回避姿勢が後退し、安全資産として買われていた国債が売られて利回りは上昇した。

為替市場は、1月の米小売統計が堅調な内容となり、日欧の中央銀行が金融緩和に動く中でも、FRBが利上げを継続する可能性は高まったとの思惑からドルが買われ、ドル/円は113.26円まで上昇した。この日は、前日のイエレンFRB議長の議会証言に続きNY連銀のダドリー総裁が、米経済にはかなりの勢いがありマイナス金利の可能性を議論することは極めて早計との考えを示したこともドルの下支え要因となった。

株式市場は、原油価格が持ち直し、1月の米小売売上高も3カ月連続の前月比プラスを記録したことから、エネルギー株や素材関連株が堅調で、前日売り込まれた金融株も買い戻され、ダウ工業株30種平均は、15,973.84ドルの＋313.66ドル高で引けた。

金相場は、朝方に発表された小売売上高が堅調だったことや原油価格が反発に転じたことで株価が上昇し、リスク回避姿勢が和らいだことから利益確定売りで反落した。また為替市場でドルの買い戻しが進んだこともドル建て金の割高感から下押し材料となった。

原油相場は、前日に12年9カ月ぶりの安値に沈んだこともあって売られ過ぎ感が広がるなか、アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相が前日、OPEC加盟国には協調減産の用意があり、また非加盟国の産油量も減少傾向にある一方で需要も回復する見通しだと指摘し、年内に世界の需給は均衡するとの楽観的な見方を示したことを材料に買い意欲が高まり29ドル台を回復した。