原油価格の下落で世界の株価大幅安

 


北川博文のNY市況

9日NY債券市場は、世界景気減速への懸念が広がり、日欧の国債利回りと比べて米国債利回りが高いことを受け米国債に需要が集まりやすいなか、金融機関がエネルギー部門の影響を受けるとの懸念や、利上げペースが想定以上に鈍くなるという観測から米国債利回りは低下した。

為替市場は、世界の株式市場で相場が崩れた上、原油価格も再び下落し、リスク回避の円買いやスイスフラン買いが膨らみ、ドルの主要6通貨に対するドル指数は約4カ月ぶり安値水準に落ち込んだ。 ドル/円は、114.50円を割り込んで2014年11月以降の安値を更新した。

株式市場は、世界経済減速懸念を背景に世界の株式市場が大幅安となるなか、再び原油価格が下げ足を速めるとエネルギー株中心に売り圧力が強まり、S&Pエネルギー株指数は、2.5%安となり相場全体を押し下げた。終盤は、素材株と医薬品株が上昇し、原油価格の大幅な下落の影響を補った。

金相場は、前日のリスク回避姿勢を背景とした勢いが一服して売り買いが交錯するなか、持ち高調整の売りなどから下落する場面も見られたが、世界景気に対する先行き懸念が根強く、米株価や原油価格が下落すると再び買気が強まり1200ドル近い水準まで切り返した。

原油相場は、国際エネルギー機関(IEA)が発表した月報で、今年の石油需要見通しを下方修正したことから売られやすい環境のなか、米株価の持ち直しやドル安・ユーロ高の進行を支えに買い戻しが入り、いったんはプラス圏に浮上した。しかしその後、米エネルギー情報局(EIA)が公表した短期エネルギー見通しでも、世界的に石油消費が伸び悩むとの見方が示され、需給不均衡が長期化するとの観測から売り圧力が強まり大幅続落し、原油は27ドル台まで値を下げた。

 


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