米経済指標悪化で円高ドル安

 


北川博文のNY市況

4日NY債券市場は、米労働省が発表した新規失業保険週間申請件数が増加し、12月の米製造業受注が予想より減少したことから、今晩の雇用統計発表を控えて利上げを見込んだ取引を手仕舞う動きが見られ、国債利回りは低下した。

為替市場は、この日発表された12月の米製造業新規受注が1年ぶりの大幅マイナスとなり、前日のニューヨーク連銀のダドリー総裁によるハト派的発言や最近の弱い米経済指標で、米連邦準備理事会(FRB)の年内利上げについて懐疑的な見方が広がり、ドルが円やユーロに対して大幅に下落した。ドル/円は、1%超下げて約2週間ぶり安値の116.525円に下落、ユーロ/ドルも1%以上値を上げ、15週間ぶりとなる1.1239ドルの高値を付けた。

株式市場は朝方、為替相場のドル安を受けて商品市場の銅や貴金属、原油価格が上昇し、S&P素材関連株が買われて相場を主導した。ただ複数の小売り企業の業績予想が失望を誘い、また今晩の雇用統計の発表を控えた不安感もあり、上昇幅は限られた。 ダウ工業株30種平均は、16,416.58ドルの+79.92ドルで引けた。

金相場は、米労働省が発表した2015年10~12月期の労働生産性(速報値)と12月の米製造業受注がともに市場予想よりも悪かったことから、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げペースが鈍化するとの見方が広がり、為替市場でユーロなどの対主要通貨でドル安が進行したことから、ドル建て金の割安感が生じて買われた。

原油相場は朝方、低調な米経済指標の発表を受けたドル安・ユーロ高の進行から、ドル建て原油の割安感が強まり、一時33.60ドルの高値を付けた。その後、OPECと非加盟国による協調減産に向けた動きが依然不透明であることから、供給過剰が長期化するとの懸念や世界経済の先行きに対する不安が根強く利益確定の売りも出て31ドル台に反落した。報道によるとロシアのOPEC担当のウラジミール・ウォロンコフ氏は、原油生産について近く協議する公算は小さいとの認識を示したという。

 


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