NY連銀総裁・利上げに慎重発言

 


北川博文のNY市況

3日NY債券市場は、米サプライ管理協会(ISM)が発表した1月の非製造業景況指数が予想以上に低下すると10年債利回りは、一時1年ぶりの低水準となった。しかしその後、原油価格が上昇し、米民間雇用サービス会社オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)が発表した1月の非農業部門就業者数の伸びが昨年12月から鈍化したものの、依然として労働市場の堅調さを示す数字と受け止められて株価も上昇すると反落に転じて利回りは上昇した。

為替市場は、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が米国の追加利上げに慎重な見方を示したことや予想を下回る米ISM非製造業総合指数で米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが緩やかになるとの思惑が広がり、ドルが円やユーロなど主要通貨に対して急落した。原油高で資源国通貨が上昇したこともドルの圧迫要因となった。

株式市場は、午前中、低調な米経済指標発表を受けてマイナス圏で推移していたが、米原油価格の大幅な上昇を好感してエネルギー株が買われ、S&Pエネルギー株指数は4%上昇した。個別株では、複合企業のスリーエムが3.1%上昇、大型ハイテク株のアップルかが2.0%上昇した。ダウ工業株30種平均は、16,336.66ドルの+183.12ドル高で引けた。

金相場は、さえない米経済指標を受けて米国経済の先行きに不安が広がってリスク回避の動きが活発化し、為替市場でドルがユーロなどの主要通貨に対して大幅下落したことから金に資金の逃避先としての需要が高まり、一時1144.60ドルまで上昇した。また、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が米国の追加利上げに慎重な見方を示したことも、金利を生まない資産である金にとって追い風となった。

原油相場は、米エネルギー情報局(EIA)が公表した米原油在庫は前週比780万バレル増と市場予想を大幅に上回る増加となり、発表直後には乱高下した。しかし低調な米経済指標を受けてユーロや円など対主要通貨でドル安が急ピッチで進行するとドル建て金の割安感から買いが入って3営業日ぶりに反発し、一時32.45ドルまで上昇した。加えてロシアのラブロフ外相が石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国が合同会合開催で合意できれば、ロシアもこうした合同会合に参加する用意があるとの発言が伝わったことも支援材料となった。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • にほんブログ村 株ブログへ

    にほんブログ村

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。

CAPTCHA


*