FOMC議事録公開・利上げに慎重
北川博文の相場独り言
夜間取引の日経225先物は、前日の連銀総裁発言を受けて9月利上げ観測が再燃し、ドルが買われて円が売られる流れから株価も強含みで推移していた。NY時間に入りFOMC議事録の公表を控えて商いが細ると徐々に円が買い戻され、公表直後に円は一瞬売られたが、その後すぐに買い戻されたことから株価は16,540円まで売られた。ただ、昨日同様に円高に振れても下値は限定的で、その後は切り返し16,670円で取引を終えた。
米連邦準備理事会(FRB)が公表した7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨は、メンバーの一部が早期の利上げが必要との考えを示している一方で、大半の参加者は利上げ前に指標を見極める必要があるとの見解で一致していたことが明らかになり、早期利上げ観測が後退している。
このことを受けて、NY市場の株価はマイナス圏からプラスへ浮上し、債券も買われて利回りは低下した。18日8:35時点でドルが売られ、ドル円相場は99円80銭近辺で推移している。
東京市場も売り優勢で始まりそうだが、間もなく8:50に日本の貿易統計発表がある。
米10年債利回り週足チャート
【NY市況】
17日NY債券市場は、米連邦準備理事会(FRB)が公表した7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、メンバーの一部が早期の利上げが必要との考えを示している一方で、大半の参加者は利上げ前にさらに指標を見極める必要があるとの見解で一致していたことが明らかになった。このことを受けて早期利上げ観測が後退し、指標となる10年債利回りは1.549%に低下した。
為替市場は、連銀総裁の発言を受けて9月利上げが再燃しドル高円安の流れを引き継ぎ、午後の公表直後に円は一瞬売られたが、その後すぐに買い戻され、最終的には前日終値の水準で落ち着いた。
株式市場は、FOMC議事公表を控えて様子見からマイナス圏で推移していたが、公表された要旨では、利上げの是非をめぐり意見が分かれ、早期利上げに懐疑的な見方が広がり、低金利環境で買われる傾向にあるS&P 公益株指数は1.5%高となり、ダウ工業株30種平均は、18573.94ドルの +21.92ドル高で引けた。
金相場は、連銀幹部らの9月利上げとも取れる発言を受け、金利を生まない資産である金は圧迫され、議事要旨発表直後は売り圧力から、一時1340.50ドルまで売られた。しかし、その後は急速に買い戻されてプラス圏で推移している。
原油相場は、石油輸出国機構(OPEC)による増産凍結協議の再開期待が高まっているなか、合意形成は困難との慎重な見方も広がり売り優勢となっていたが、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週報で、原油在庫が市場予想の増加に反して250万バレル減となったことから買い意欲が強まり、さらにFOMC議事要旨の公表を受けてドルが対ユーロなどで下落すると、ドル建て原油の割安感から買われプラス圏に切り返した。
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