どこまで続く原油安

 


北川博文のNY市況

11日NY債券市場は、11月の米コア小売売上高が前月比0.6%増と、前月の伸び0.2%から強まったことを受けて、利回りが小幅に上昇する場面も見られたが、原油価格の続落や株価の大幅な下落から比較的安全な資産とされる国債に買いが集まり、10年債 利回りは前日の2.237%から2.137%に低下し、5週間ぶりの低水準をつけた。

為替市場は、朝方発表された堅調な米小売売上高統計を受けてドル高で推移していたが、原油安や株安がドルの売り圧力となって下落した。また、支出の伸びが小幅にとどまっ たことから利上げ開始後の金融引き締めを後押しするには不十分と受け止められたこともドル安要因となった。

株式市場は、米国の利上げに対する警戒感が強まり市場を圧迫するなか、中国経済の減速懸念を背景に人民元 が4年半ぶりの安値をつけたことや原油価格の下落が止まらず、投資家心理が悪化して大幅に反落して取引を終えた。ダウ工業株30種平均は17,265.21ドルの▲309.54ドル安で引けた。

金相場は、朝方から売られた原油安の影響から米株価が大幅反落し、これを受けて安全資産としての金などに資金を移す動きが活発化して買われた。また為替市場でドルが売られたこともドル建て金の割安感からの下支えとなった。

原油相場は、米国北東部の暖冬でヒーティングオイル価格が大幅続落となるなか、国際エネルギー機関(IEA)が12月の石油月報で、供給過剰状態が「少なくとも2016年末まで続く」との見通しを示したことから、供給過剰懸念が一段と強まり大幅続落となった。


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