中国貿易統計悪化で原油・株安

 


北川博文のNY市況

8日NY債券市場は、2月の中国貿易統計で輸出入が大きく落ち込み、世界経済減速懸念の高まりによるリスク回避姿勢や、また日本の財務省がこの日に実施した30年利付国債の入札で、投資家需要の強弱を反映する応札倍率が約2年ぶりの高水準となったことなどを手掛かりに米国債への需要が強まり上昇した。

為替市場は、2月の中国貿易統計の悪化から安全資産とされる円やスイスフランが上昇した。また石油や産業用金属価格の下落で、資源国通貨の豪ドルやカナダドルなどが売られた。

株式市場は、2月の中国貿易統計の悪化を受けて世界経済の成長見通しに対する不安が再燃し、原油価格が下落したことでエネルギー株の売りに圧迫され、S&P500エネルギー株指数は6週ぶりの大幅下落となった。ダウ工業株30種平均は、16,964.10ドルの▲109.85ドルで引けた。

金相場は、中国が発表した2月の貿易統計が低調となったことから世界景気への先行き不安が再燃し、加えて為替市場でドルが対ユーロで軟化したことも、ドル建て金の割安感からの買いを呼び込んで早朝、一時1279.00ドルまで上昇した。ただ、買い一巡後は利益確定とみられる売りに押されて上げ幅を削りマイナス圏へと下落した。

原油相場は、2月の中国貿易統計の大幅な落ち込みによる中国の景気減速懸念が再燃したことでアジア時間から軟調に推移し、また、この日クウェートのサレハ石油相代理がイランを含む主要産油国が凍結計画に同意しなければ、石油生産を現状のまま続ける意向を表明したことから増産凍結への懸念が広がり圧迫材料となって下落した。


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