中国株反発で世界株価持ち直す
北川博文のNY市況
19日NY債券市場は、中国の国内総生産(GDP)統計が、一部の予想ほど悪くなかったことから欧米株価が反発に転じ、米国債は序盤から弱含みで推移した。しかし米国株が失速し始めると安全資産とされる米国債に買い戻しが入り、30年債利回りが2カ月半ぶりの水準に低下する場面も見られた。
為替市場は、原油価格の下落と減速する世界経済への懸念から、ドルが避難通貨のスイスフランや円に対して売られ、序盤の上昇分を吐き出した。
株式市場は、中国のGDP成長率は25年ぶりの低い伸びとなったが、市場では中国政府が景気対策を拡大するとの期待が高まり上昇して始まった。しかし、原油価格が約12年ぶりの低水準に下落したことでエネルギー企業の損失拡大や債務不履行の可能性をめぐる懸念が強まっていることからエネルギー株が売られて上げ幅を削った。石油関連個別株では、エクソンモービルが1.5%安、シェブロン が2.6%安となった。
金相場は、ドル安や原油安と米国株の伸び悩みなどからリスク回避の買いも見られたが、中国の国内総生産(GDP)の低い伸びを受けて一段の景気対策への期待感からリスク選好が増し、ほとんどの時間帯で軟調に推移した。
原油相場は、欧米などによる対イラン経済制裁の解除が発表され、イラン産原油の輸出拡大で世界的な供給過剰状態に拍車が掛かるのではないかとの観測から売り圧力が強まり、加えて、国際エネルギー機関(IEA)発表の月報で、供給過剰状態は少なくとも16年末まで続く見込みで、原油価格のさらなる下落もあり得ると指摘したことも相場の下押し材料となった。
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