米雇用統計堅調で利上げ確定か

 


北川博文のNY市況

4日NY債券市場は、11月の米雇用統計が非農業部門の雇用者数で21万1000人増と、市場予想を上回る伸びとなったほか、9、10月分が3万5000人上方修正され、失業 率も7年半ぶりの低水準となる5.0%で変わらずだったことから、国債利回りが一旦上昇した。しかし、雇用統計を受けて12月の利上げは確実となり、今後は利上げペースに焦点が移行するなか、石油輸出国機構(OPEC)総会の声明 に生産目標に関する記述がなく、加盟国は現在の生産枠に沿って生産を続けるとみられることから国債は買い戻され、利回りは低下した。

為替市場は、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がニューヨークで行った講演で、ECBは必要に 応じて一段の措置を導入できるため「2%のインフレ目標を遅延なく達成できると確信を 持って言える」と発言したことから、対ユーロでドル の買い戻しが活発化した。また、11月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が予想の20万人を上回ったこともドル上昇要因となった。

株式市場は、11月の米雇用統計が底堅かったことで、米連邦準備理事会(FRB)が約10年 ぶりの利上げに踏み切ることが確実となり、金利上昇の恩恵を受ける金融株が全体を引っ張り、ダウ工業株30種平均は17,847.63ドルの+369.96ドル高と急伸した。一方、石油輸出国機構(OPEC)が生産枠を過去最高水準に維持する意向だとの報道を受けてエネルギー株は売られた。

金相場は、11月の米雇用統計で雇用情勢が引き続き緩やかに改善していることが確認されたが、FRBがゼロ金利解除に動いても利上げペースを速めるほど強い数字ではなかったことから大量のショートカバーが入り急伸した。

原油相場は、石油輸出国機構(OPEC)が加盟国による生産目標を設定せずに市場動向を見極めていくことを確認する程度にとどめたことから、高水準の生産量を事実上容認する姿勢を示したとの思惑で反落した。また、米雇用統計が良好な内容だったことから、為替市場でユーロに対するドルの買い戻しが活発化し、ドル建て原油の割安感が後退したことも売り圧力となった。


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