閑散に売り無し
北川博文の相場独り言
本日の日経平均株価は、朝方のポンド安から円高に振れ、一時的に下値を探る動きも見られたが、為替が落ち着くと徐々に買い物を集めて上伸した。
中国の7月消費者物価指数は前年比+1.8%で市場予想どおりとなったことから、上海総合指数は強含みで推移し、3025元の+21元高となっている。中国市場の株価や経済指標は、同国が最大の石油消費国であるため、原油価格に影響を及ぼすことから注目が集まる。
為替市場は朝方から、徐々に水準を引き下げてドル買い相場となったことから、ポンド・ドルは1.29ドル台に下落し、ポンド・円も133円台半ばから132円台後半に水準を引き下げている。
下のチャートは、上段がポンド・ドルの日足、下段がドル・円の日足になる。 ポンド・ドルは、6月24日のEU離脱決定日の暴落後、調整相場が続いていたが日柄の経過とともに徐々に下値を探る動きとなり、何かの切っ掛けでポンド売りが出そうな流れとなっている。一方、ドル/円は、2度の100円割れを経験したが3度目がなく円安に動いている。テクニカルは、MACDヒストグラムが上昇し始め、スリートップ・ボトムラインを超え始め、トップライン104円を超えると上昇トレンドとなる。ボンドの下げがドル円相場に影響しそうなため、英国の経済指標発表を注視する必要がある。
ポンド/円日足チャート
ドル/円日足チャート
【NY市況】
9日NY債券市場は、低調な4~6月期非農業部門の労働生産性(速報値)発表に加え、イングランド銀行が行った国債買い入れが予想額に満たなかったことから、期間が長めの国債価格が上昇し、指標となる10年債利回りは1.548%と前日の1.585%から低下した。
為替市場は、サマーバカンスで市場参加者が減少しての薄商いのなか、この日発表された非農業部門の生産性が市場予想を下回ったことを受けて、円安・ドル高進行の巻き戻しから、円は101円台後半に上昇した。
株式市場は、原油価格の反落で資源や小売りが売られた一方、ヘルスケアやテクノロジー関連は決算を好感して買われ、S&P500種株価指数は前日比0.04%上げて2181.74となり、ダウ工業株30種平均は3.76ドル上昇の18533.05ドルとなった。
金相場は、低調な非農業部門の労働生産性発表を受け、為替市場でドル売り・ユーロ買いが進行したことからドル建て金の割安感から、発表後に急伸し3営業日ぶりに反発した。
原油相場は、低調な経済指標発表を受け、ドル安によるドル建て原油の割安感から買われる場面も見られたが、前日のOPEC開催発表で急伸した反動からの利益確定売りに押されて反落した。ただ、石油在庫の週報発表を控え、ガソリン在庫の減少が予想されていることから下げ幅は限定的となった。
この記事へのコメントはこちら