原油安で世界同時株安

 


北川博文のNY市況

15日NY債券市場は、原油価格が30ドルを割り込み、米経済指標が市場予想に届かなかったことから株価が下落し、ダウ平均は一時500ドル以上急落するなか、リスク回避の動きから安全とみられる米国債に買いが入った。10年債利回りは、3カ月ぶりの水準となる1.986%に低下、30年債利回りも2.798%と約3カ月ぶりの水準に低下した。

為替市場は、原油、株式相場の急落や弱い経済指標に伴い米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが一段と鈍化する恐れがあることから、ドルに売り圧力が強まり、対円で116.51円まで下落して約5カ月ぶり、対ユーロで2週間半ぶりの安値をつけた。

株式市場は、原油価格が下落し1バレル/30ドルを割り込んだことから、S&Pエネルギー指数は2.87%下落し、ハイテク株指数は3.15%低下して半導体大手インテル株価が9.1%と7年ぶりの大幅下落になり全体を押し下げた。ダウ工業株30種平均は15,988.08ドルと▲390.97ドル安で引けた。

金相場は、中国株式市場の下落を受けて原油先物価格が1バレル/30ドルを割り込み、世界経済の減速懸念から各地の主要株価指数が急落し、リスク回避姿勢の強まりから買われて上昇した。

原油相場は、この日の上海株式市場が3.5%安と大幅に下落し、中国の経済減速に伴う需要減退懸念が相場を圧迫し、またイランの経済制裁解除が近づき、イラン産原油増産観測が高まっていることも、売りの加速を招いた。イランの増産が始まると、世界的な需給不均衡が一段と深刻化する可能性があるため、市場参加者は警戒感を強めている。


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