ECBドラギ総裁・追加緩和示唆
北川博文のNY市況
20日NY債券市場は、18日に公開されたFOMC議事録要旨で12月利上げ可能性の高まりから買い進まれていたが、この日の株価上昇を受けて、利上げ後の企業利益への影響は軽微との思惑が広がり国債への魅力が低下し、国債は売られ利回りは上昇した。
為替市場は、欧州中央銀行(ECB)ドラギ総裁が講演で「目標を達成する上で現在の政策が十分でないと判断すれば、インフレ率をできるだけ早急に引き上げるためやるべきことをやる」と表明し、12月3日の理事会で決定すると付け加えたことからユーロが主要通貨に対して下落した。
株式市場は、ECBドラギ総裁が12月追加緩和を示唆したことから上昇して始まり、120億ドルの自社株買いや増配が好感されたナイキを中心に消費関連株が値上がりし、ダウ工業株30種平均は17,823.81ドルの+91.06ドル高で引けた。
金相場は、FRBの利上げ観測圧力を受けるなか、未明から早朝にかけては1085ドル近辺の水準で堅調に推移していたが、為替市場でドルが対ユーロで上昇するとドル建て金の割高感から下押しし反落した。
原油相場は、週報による米原油在庫増加で供給過剰に対する警戒感から下落傾向が続いていた反動によるポジション調整の買い戻しで一時的に上昇したが、ドル相場が対ユーロで上昇するとドル建て商品の割高感から売り圧力が強まり上げ幅を削って前日比マイナス圏まで下落した。
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