エネルギー株に安値拾いの買いが
北川博文のNY市況
10日NY債券市場は、朝方発表された新規失業保険週間申請件数が28万2000件に増加したことを受けて買われる場面もあったが、株高を受けて流れが変わり、国債利回りは上昇した。
為替市場は、前日の欧州中央銀行(ECB)のノボトニー理事の発言で、ECBの緩和姿勢に対する不透明感が増しドルは対ユーロで下落したが、この日の市場はFRBが来週利上げに踏み切ると確信しており、それがドルの支援要因となって上昇した。
株式市場は、市場の関心が来週のFOMCに移るなか、原油価格が7年ぶりの安値付近に下落したことから、一部の投資家による原油相場の底打ちをにらんだエネルギー株 の安値拾いの買いが見られ、航空・運輸関連株やエネルギー関連株が買われて上昇した。ダウ工業株30種平均は17,574.75ドルの82.45ドル高で引けた。
金相場は、為替相場でドルが対ユーロで強含みで推移したことから、ドル建て金の割高感につながり売られた。ただ米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控えて積極的な商いは手控えられ、相場の値動きは限定的だった。
原油相場は、OPECがが公表した12月月報によると、加盟12カ国の11月の産油量(日量)は前月比23万バレル増加し、原油安にもかかわらず、市場シェア確保を重視するOPEC各国が高い生産水準を維持していることが確認され、供給過剰懸念が強まった。また為替市場でドルが対ユーロで買い戻されたことも、ドル建て原油の割高感につながり、原油相場は午前中に一時36.52ドルまで下落した。
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