ドル安で株高、原油高

 


北川博文のNY市況

8NY債券市場は、この日の10年債入札に需要が集まったことを受けて、入札直後の10年債利回りは一時1.697%まで低下する場面があった。米国債の利回りは、ドイツなど他国債よりも相当高い水準にあり、今週は主要な経済発表予定がなく、市場の関心は国債入札動向や、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)に集ま っている。

為替市場は、FRBによる早期利上げ観測が後退するなか、ユーロなどの主要通貨に対してドル売りが先行した影響で、円に対してもドルが弱含んだ。ただ、原油価格や米株価が堅調に推移したことを受け、投資家のリスク選好から安全資産とされる円を売りに出す動きもあり、円の上値は限定的だった。

株式市場は、米国の早期利上げ観測の後退を受け、主要通貨に対するドル指数が5週間ぶりの安値をつけたことを背景に、売上高の大部分を海外で上げる米国の多国籍企業の収益見通しに追い風となり、ダウ平均株価は終値で427日以来の18000ドル台を回復した。素材株指数が銅や金価格の上昇を受けて上昇した反面、エネルギー株指数は原油価格の急騰にもかかわらず下落した。ダウ工業株30種平均は、18005.05ドルの+ 66.77ドル高で引けた。

金相場は、早期利上げ観測が後退し、金利を生まない資産である金への需要が高まるなか、為替市場でドル売り・ユーロ買いが進行し、ドル建て金の割安感からプラス圏で堅調に推移した。また、世界銀行が2016年の世界経済成長率見通しを下方修正したことから、世界経済の成長鈍化懸念が再燃し、安全資産とされる金が注目を集めた。

原油相場は、ナイジェリアの武装集団による石油施設襲撃や中国の原油輸入増加を材料に一段と買いが膨らむなか、米エネルギー情報局発表の在庫週報で、原油在庫が市場予想を上回る減少となったことから、買い意欲が強まり約11カ月ぶりに51ドル台に乗せた。また、為替市場でドル安・ユーロ高が進み、ドル建て原油の割安感が生じたことも支援材料となった。

 

 


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