米経済指標悪化で株安

 


北川博文のNY市況

31日NY債券市場は、朝方発表の4月の米個人消費支出が6年8カ月ぶりの大幅な伸びとなったことを追い風に、利回りは前週の上昇勢いを維持し、指標となる10年債利回りは1カ月ぶりの高水準をつけていた。しかし、その後発表された5月シカゴ地区購買部協会景気指数や消費者信頼感指数が悪化すると利回りは低下に転じ、午前に1.89%まで上昇していた10年債利回りは、1.842%まで低下した。

為替市場は、前週末のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言をきっかけに早期利上げ観測からドル高が進行し、連休明けのニューヨーク市場に入ってからも円売り・ドル買い基調が続いた。 ただ、5月のシカゴ景況指数や米消費者景気信頼感指数が悪化したことをきっかけにドルが売り戻され、加えて、米株価が英国の欧州連合(EU)離脱懸念の再燃などを背景に一段安となったことから、投資家のリスク回避姿勢が強まり、安全資産として円を買い戻す動きも見られ、ドル円は一時110円50銭まで買い進まれた。

株式市場は、朝方発表の4月の個人消費支出が前月比で6年8カ月ぶりの大きな伸びとなった反面、5月の米消費者信頼感指数は前月から低下したことを受けて、S&P 主要消費財株指数が0.49%低下し、一般消費財株指数は0.11%下げた。また原油相場の下落を受けてエネルギー株が売られ、エネルギー株指数は0.57%安となった。ナスダック・バイオテクノロジー株指数は1.3%上昇した。ダウ工業株30種平均、17787.20ドルの▲ 86.02安で引けた。

金相場は、FRBによる早期利上げ観測が強まり、金利を生まない資産である金にとっては売り要因となったが、さえない経済指標の発表や前週末まで8営業日連続で下落していたことから、安値拾いやショートカバーが入り、徐々に値を戻す展開となり、前日比ほぼ変わらずで終えた。

原油相場は、ナイジェリア南部で原油パイプラインが武装勢力による攻撃を受けたとの報を受けて同国産原油の生産が一段と滞るとの懸念が広がり、需給引き締まり観測の強まりから買いが先行して始まった。しかし、午後に入ると6月2日に開かれる石油輸出国機構(OPEC)総会で、増産凍結合意はないとの悲観的な見方から売り圧力が強まり反落した。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • にほんブログ村 株ブログへ

    にほんブログ村

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。

CAPTCHA


*