欧州中央銀行(ECB)政策金利を引き下げ

 


北川博文のNY市場

10NY債券市場は、欧州中央銀行(ECB)が政策金利を引き下げ、月々の資産購入額の拡大を決定したことが手掛かりとなって下落し、米10年債利回りは上昇した。世界的に中央銀行の金融政策が注目されているなか、米国債の利回りは今月に入って6営業日上昇し、株価や商品相場のボラティリティを背景に、世界経済の成長減速が米国経済の足を引っ張るとの懸念が広がっている。

為替市場は、欧州中央銀行(ECB)による追加緩和策が発表されてユーロが下落したが、その後行われたECBドラギ総裁が記者会見で「一段の利下げが必要だとは考えていない」と発言したことに反応し、ユーロは対ドルで前日比1.8%高、対円で1.3%上げて1ユーロ/12629銭となった。ドルはECBの政策発表を受けた株価上昇に反応し、対円で一時114.45円近辺まで上げていたが、ドラギ総裁の記者会見が進む中で株が下げに転じるとドルも上げを失い113.10円まで下落した。

株式市場は、欧州中央銀行が打ち出した新たな金融緩和措置をめぐって思惑が交錯したため相場は乱高下し、主な株価指数は一時1%余り下げたが、取引終了前の1時間で急速に下げ渋り、ダウ工業株30種平均は、16,995.13ドルと▲5.23ドル安で引けた。

金相場は、欧州中央銀行の定例理事会で追加金融緩和を決定したことを受けた為替市場で、一時ドル高・ユーロ安が進行したが、その後のドラギECB総裁の発言を受けた利下げ打ち止め観測などが浮上し、ユーロが急反発したため、ドル建て金の割安感から買いが殺到して一本調子で値を上げ、一時1274.20ドルの高値を付けた。

原油相場は、一部で報道された20日に開催されるとしていたOPEC加盟と非加盟産油国による増産凍結に向けた会合が開かれそうもないことや、クウェートはイランを含む主要産油国が増産凍結に賛同しなければ協力できない意向を示していることから、有力産油国が合意している増産凍結の先行きが不透明になったとの思惑から急落した。

 

 


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