原油安長期化でエネルギー企業債務問題浮上

 


北川博文のNY市況

24NY債券市場は、サービス業活動を示す2月の米サービス業購買担当者指数(PMI速報値)201310月以来の低水準となり、米経済の強みであるサービス業の底堅さに疑問が生じて米国債に買いが入ったが、下落していた原油相場が上昇に転じると、相場は伸び悩んでほぼ横ばいとなった。

為替市場は、米サービス業の景況を示す2月の米サービス業購買担当者指数の悪化を受けて、金融当局が楽観する経済の健全性について疑問が生じ、ドルが対円で一時110.10円近辺まで続落した。

株式市場は、原油安長期化に伴うエネルギー企業の債務問題について投資家の不安が広がったことから金融株を中心に売りが活発化する場面もあったが、原油価格の反転上昇につれて取引終盤に持ち直し、ダウ工業株30種平均は16,484.99ドルの+53.21ドル高で引けた。

金相場は、朝方の原油相場の一段安を受けてリスク回避姿勢が強まり、米株相場も大幅続落して始まったことから買い優勢で始まり、その後も米商務省が発表した新築住宅販売件数も低調だったことから買いに一段と弾みがつき一時約2週間ぶりに1250ドルを上回る水準まで上昇した。しかしその後、原油相場の回復を受けて米株価が上昇すると徐々に値を戻して終わった。

原油相場は、前日のサウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相の「減産はない」との発言を受けて世界的な供給過剰解消への道のりは遠いとの見方が広がったことで売り圧力が強まっていたが、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計で原油在庫は350万バレル増と、ほぼ市場の予想通りだったが、 ガソリン在庫が市場予想100万バレル減を大幅に上回る220万バレル減となったことを受けて、需給引き締まり観測が強まって買い戻しが活発化しプラス圏に浮上した。

 


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • にほんブログ村 株ブログへ

    にほんブログ村

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。

CAPTCHA


*